短歌研究 5月号

新人賞の時期だなーと思いつつ、この間石井僚一短歌賞でなににも引っかかれなかったことがびっくりするほど悔しくて、呆然としつづけてる。

けど、一応短歌研究を買ってみた。30首かぁ。審査員非公開って毎年なのかな。

わからないことばっかりだ。

 

はじめてまじまじと短歌研究を読んでみた。(いつもは目当ての人の歌しか読まない)

表紙の歌 "快き夏来にけりといふがごとまともに向ける矢車の花 (長塚節)"の解説好き。病で気が弱っているときに、元許嫁の女性から花を貰って、花瓶がないから薬壜を探して活ける。その花々の中で矢車の花だけが「心強げに」咲いていたのはうつくいいなぁと思う。病気の心にぱっと光が差すよう。

 

千葉聡さんの「短歌のとなりの物語」も面白かった。

NHK短歌にも漫画と短歌のコラボレーションがあって、それも毎回読んでしまう。

巻頭のエッセイを書いている村上しいこさんは『うたうとは小さないのちひろいあげ』という小説で野間児童文芸賞を獲られたらしい。作中にはキャラクターたちの口を借りて、村上さんが詠んだ歌が60首ほど載っているということ。

ぜんぜんチェックしていなかったので、読みたい。

 

作品季評の対談。穂村弘さん(コーディネーターってなんだろ)と、水原紫苑さんと、吉岡太郎さんの三人が、「日照雨」(柏崎驍二)・「防災無線」(米川千嘉子)・『砂丘律』(千種創一)の各連作・歌集について話してる。

歌集とか連作を読むときの人の考え方や捉え方(作品内の自分の立ち位置とか)が見えておもしろい。「日照雨」の読みで、穂村弘さんが「吹雪美人図」のイメージについての読みを展開していて、なんだか安心した。

 

買って読んでない短歌研究も読まなきゃなぁと思いつつ、好きな連作ばかりいつも見直してしまう。

好きな歌は数えるほどしかないけど、好きな連作はちょっとずつだけ増える。

短歌を読むことがもうちょっと楽しくなったらいいな。

 

新歓の季節で、短歌にはじめて触れ始めるひととたくさん喋ったり、就職活動の面接官のひとに「短歌やってるんですね」って言われたりしたときに、いつも言葉に詰まる。

わたしが短歌について話すとき、わたしが短歌するときと全然違う気持ちになる。

短歌について語ったり、説明したりするときの短歌、全然楽しそうじゃなくて自分でびっくりする。

うーん、短歌、何が楽しいんだろ。ってなったとき、穂村弘になりたいって思う。